「フリーランスWebデザイナーからUI/UXデザイナーにキャリアアップしたい」「収入をもっと安定させたい」「案件数は実際どれくらいあるの?」
こうした疑問を持つ方は多いはずです。
本記事では、より専門性の高いスペシャリストの職種にフォーカスして、Webデザイナーからのキャリアパスを中心に、UI/UXデザイナーやサービスデザイナーの収入相場や案件数の最新データをまとめ、フリーランスとしてどうステップアップできるかを解説します。
スペシャリスト向けキャリアパスは3種類
Webデザイナーがフリーランスとして次に目指せるスペシャリスト向けのキャリアは、大きく以下の3つです。
1. UIデザイナー
UIデザイナーとは、アプリやWebサイトの画面デザイン、アイコン、ボタン、フォント、配色など、ユーザー視点でのデザインする職種です。
仕事内容
ワイヤーフレーム・プロトタイプの作成
サイトの構成や操作の流れを視覚的にするための試作品を作成。
画面設計・UIコンポーネント構築
ボタンやアイコンなど、画面を構成する部品を分解し、再利用可能な部品として構築。デザインの一貫性や効率化をするために必要。
求められるスキル
デザイン基礎知識
色彩理論、タイポグラフィ、レイアウトなど、基礎的な知識が求められる。
情報設計能力
ユーザー視点で情報をスムーズに見つけられる画面構成力が求められる。
デザインツールの使用スキル
Figma、Sketch、Adobe XD、Photoshop、Illustratorなどのツールの扱いが求められる。
ユーザー視点の思考
ユーザーの心理や行動を理解し、使いやすい設計を追求する能力が求められる。
- アプリやWebサービスの画面設計、UIコンポーネント構築
- グラフィカルなデザイン、ツールの扱い以外にも、ユーザー視点という思考が求められる
- 月単価:40〜80万円
2. UXデザイナー
ユーザーが製品やサービスから得られる体験を、ユーザー視点に立って設計する職種です。
市場調査やユーザーインタビューを行い、ニーズを把握し、製品・サービス設計からUIデザインや使いやすさを求めて、ユーザーの「満足度」が高いと感じる体験を創造できるかがポイントです。
仕事内容
ユーザーニーズの把握と分析
ユーザーインタビュー、市場調査、アクセス解析などを行い、ユーザーが抱える課題やニーズを分析。
情報設計と戦略立案
分析結果をもとに、情報の配置・順序を検討し、サービス全体の戦略を立案。
体験の具現化
ユーザーがストレスなく目的を達成でき、心地よさ、楽しさを感じられるようなサービス設計の実現。
継続的な改善
ABテストなどを実施し、ユーザーの行動したデータに基づいてUXを改善。
ステークホルダーとの連携
エンジニア、マーケター、コピーライター、プロダクトマネージャーなど、様々なチームメンバーと連携。
求められるスキル
UIデザインスキル
UXデザインを構成する要素として必要。
分析力・マーケティング知識
市場調査やデータ分析など、戦略を立てる上で必要な知識が求められる。
コミュニケーション能力
様々なステークホルダーと連携しながらプロジェクトを円滑に進めるために高いコミュニケーション能力が必要。
- リサーチやユーザーテスト設計、カスタマージャーニーの作成、体験設計全般
- 分析能力、マーケティング、コミュニケーション能力と幅広いスキルが必要
- 月単価:70〜100万円
3. サービスデザイナー
ユーザーがストレスを感じず、利用したくなるサービス全体を設計し、顧客の体験価値を最大化する専門職です。
ユーザーのニーズと事業の目指すべき方向性の双方を満たす新サービスを創り出したり、既存のサービスを改善するための、調査、分析、アイデア創出、そしてデザインまでを一貫して担当します。
より事業や経営に近い上流工程のポジションとして活躍が期待されます。
仕事内容
新しい事業やサービスの創出・提案、既存の事業やサービスの改善・提案
ユーザーや市場の課題を分析し、サービスや事業のアイデア、改善を提案。
サービス全体、業務プロセスの設計
サービス全体を通じて得られる顧客体験を設計。また、業務プロセスの課題抽出や分析を行い、設計を行う。
求められるスキル
視野の広さ
ユーザーや事業者などあらゆるステークホルダーの視点に立って、物事を捉え、俯瞰的に見れる視野の広さが求められる。
また事業価値を最大化するために、マネジメントスキルが必要。
課題発見・分析能力
ユーザーの顕在的・潜在的な課題を発見し、分析を行い、解決策を導くために論理的思考力とリサーチ力が必要。
UXデザイン知識・サービスデザイン思考
ユーザーを第一に考え、体験価値を最大化するためにデザイン思考を活用してサービスを設計する思考が必要。
またUXデザインの手法についても十分に理解が必要。
- ユーザー体験だけでなく、ビジネスモデルやサービス全体の価値設計を担当
- UXデザインの延長で、社会課題解決や新規事業開発に関わることも多く、視野の広さが求められる
- 月単価:100万円前後〜
フリーランスUI/UXデザイナーの案件数は豊富
昨今、UI/UX、プロダクト、サービスデザインは上流工程での需要が増加しています。
- 案件数:UI/UX案件 約2,500件以上
- 単価:平均単価は約80万円とエンジニア大きく差はない単価
特に、SaaS・EC・スマホアプリ分野で需要が拡大しており、案件数は豊富。リモートワークや週3日稼働案件も増加中です。
フリーランスデザイナーの収入相場
それぞれのキャリア相場感をまとめると以下の通りです。
キャリア | 月単価の目安 | 年収換算 | 特徴 |
Webデザイナー | 30〜60万円 | 360〜720万円 | LP制作やサイトデザイン中心 |
UIデザイナー | 40〜80万円 | 480〜960万円 | デザインシステム・UI設計 |
UXデザイナー | 70〜100万円 | 800〜1,200万円 | 調査・体験設計含む上流工程 |
サービスデザイナー | 100万円前後〜 | 1,200万円〜 | サービス全体・事業設計に関与 |
サービスデザイナーはUXの進化系であり、ビジネスや事業戦略に関わるため高単価案件が多いのが特徴です。
キャリアアップの戦略
- Webデザイナー → UI/UXデザイナー:スキルを磨きつつ単価アップ
- UIデザイナー → UX/サービスデザイナー:上流工程へ進出し高収入を狙う
- 経験豊富 → ディレクター/コンサルタント:案件全体を統括するポジション
フリーランスのデザイナーとして案件数の安定性+収入アップを両立させるには、UI/UXに加えてサービスデザインの領域へ進むことがカギになります。
より上流工程に進出していけば、デザインとしてのノウハウだけではなく、経営や事業全体の戦略にも関わりますので、自分で事業を立ち上げる場合は実績として非常にプラスとなります。
まとめ
- 案件数:UI/UXデザイン案件はフリーランス市場で豊富
- 収入相場:月40〜100万円、サービスデザイナーなら100万円以上も可能
- キャリアパス:Webデザイナー → UI/UX → サービスデザイナー → ディレクションへ広がる
フリーランスWebデザイナーが次のステップを考えるなら、UI/UXやサービスデザイナーへのキャリアアップが最も将来性と収入面で有望です。
そのためには幅広いスキルを求められますが、将来自分で新規事業を立ち上げるなら、まずはキャリアアップしていくことをおすすめします。