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ITフリーランスが意識すべきSESのリスク

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ITフリーランスの多くの方が、SESで働いているかと思います。

SESには多くの利点があり、大規模プロジェクトに参画できたり、安定して仕事することができるので、事業の軸として見据えていくべき働き方です。

しかし、果たして一生SESで仕事することは可能でしょうか。

案件を探す際に条件として、「50歳まで」といった年齢制限がある案件を見かけたことが数多くあります。

少なくとも、いつかは年齢により受注できる案件数が減ってしまう可能性があるということになります。

もちろん、これまでの案件を長期に継続している場合や人脈、クライアントとの信頼関係があれば、年齢制限を緩和することは可能です。

リスクをどこまで許容するべきか、最悪のケースまで想定しておくべきか、考え方は人それぞれですが、僕は心配性の性格なので、最悪のケースまで想定し、どこまでならリスクを許容できるのかを考え常にチャレンジするようにしています。

SESの意識すべき点として年齢制限を挙げましたが、そのほかにどんな課題があるのかまずは整理していきます。

整理した上で、フリーランスとしてどのように将来を見据えて、SESとどのように向き合うべきかまとめてみました。

将来SESとしてフリーランスが直面する課題・リスク

フリーランスを10年以上続けてきて感じたSESの課題・リスクを下記に整理してみました。

年齢制限

先ほども話しましたが、やはり年齢制限は「ある」と思います。

新たに案件を探すとなった時には必ず直面してくる課題として年齢制限はあります。

もちろん年齢が条件に記載されていたとしても、経験や実績があって好転する可能性も充分あります。

とはいえ、リスクとして見据えておくべき大きな1つと言えるかと思います。

けが・病気

フリーランスに限った話ではないですが、特にフリーランスは収入やキャリアが保証されているわけでもありません。

収入に関しては、就業不能保険等に入れば多少は補填できますが、長期間空いてしまったキャリアや継続して仕事が可能なのかをクライアントが不安視してしまうと、案件が受注しにくい状況になってしまいます。

キャリア

フリーランスを続けてきた多くの方がキャリアアップの難しさに悩んでいるそうです。

エンジニアであれば、エンジニアをリードするといったポジションまでのキャリアアップすることは可能ですが、マネジメント経験や他業界の知識、新技術等、案件受注するのに「経験」が必要となってくることも多いです。

SESで案件をこなしているだけでは難しく、キャリアアップするにはコツ・考え方が必要です。

課題・リスクに対する考え方

  • 年齢制限
  • けが・病気
  • キャリア

と3つ課題を挙げました。

では、3つの課題を考慮し、生涯仕事に困ることなく働くためにどのようなキャリア・事業拡大をしていくべきか、考え方を整理しました。

フリーランスは「経営者・事業者」であることを認識

フリーランスは正社員と違って保証されない職業です。

よく「フリーランスは経営者でもなく正社員からの働き方の延長線上」と捉えている方も中にはいますが、個人的にその解釈は非常にリスクあると思います。

特にSESの経験があると需要があるので、安定して仕事が取れると錯覚してしまいがちです。

福沢諭吉の『学問のすすめ』に、「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。」という言葉がある通り、世の中に現状維持というものはなく、後退するか前進するしかありません。

つまり世の中の事業者にとっては、前進するほかなく、常に意識して自身の事業を前進させるかを考える必要があります。

そのためフリーランスとしても、自分で自由に事業を選択できるので「経営者・事業者」であることを認識し、どのような事業を行うべきか考える必要があります。

キャリア・事業プランニングを考える

次にどのようにして将来を見据えていくか。

最終的に正社員に戻るという選択肢もあるかと思いますので、「専門職・職人」として活動するのか、「事業者」として活動するのかを考えます。

「専門職・職人」として活動したい場合は、キャリアを積み、正社員に戻るかハイレベルのポジションへの転身を目指すかになります。

ただし、ハイレベルのポジションへの転身を行っても、SESという枠組みから解放されるわけではありません。

「人脈を作る」「クライアントから良い評価されるように活動する」ことで、将来訪れる可能性のある課題・リスクを低減することができるといえます。

「事業者」の場合は、今の経験や知識を活かし、別事業と組み合わせたり、全く別の新しい事業を取り組んでいきたいと考えてみるのも良いかと思います。

上記の考え方は、経営戦略理論にある経営学者イゴール・アンゾフが提唱した「多角化戦略」という新規市場に参入するための戦略フレームワークとなります。

多角化戦略のメリットとして、リスク分散と軽減が挙げられます。

SESの単一事業のみの場合、失敗は収入の不安定を意味します。

複数の事業に分散していれば、いずれかの事業が上手くいかなくても他の事業がカバーできます。

つまり複数事業を行うことにより、安定化が図れ、より継続してフリーランスとして活動することが可能です。

具体的にどのような事業を考えるべきかはそれぞれ異なると思いますが、「多角化戦略」として4つ種類があり、自身に適した戦略を選び実行することがポイントです。

①水平型多角化戦略

水平型多角化戦略とは、これまで培ってきた技術や経験を活かして、既存事業(例えばSES)と関連性の高い分野で事業を広げる戦略です。

既存事業と関連性の高い事業であるため、既存事業とのシナジー効果も期待できます。

例)長年培ってきたエンジニア経験から、SES事業を新たに展開。

これまでの人脈形成でエンジニアを複数名集めチーム化。

自身はそのチームのリードを行い、チーム単位で既存クライアントに提案。

②垂直型多角化戦略

垂直型多角化戦略とは、新たな技術や経験を獲得して、既存事業(例えばSES)に進出し、成長拡大を狙う戦略です。

既存顧客や取引先にアプローチしやすいメリットはありますが、新たな設備投資や技術取得が必要になります。

例)テスト自動化ツールを開発。これまで取引のあるクライアントに提案し、ツール導入だけでなく、自身でもプロジェクトに参画し、テストチームをリードしながら、ツールの導入支援を行う。

③集中型多角化戦略

集中型多角化戦略とは、これまで培ってきた技術や経験を活かして、これまでとは異なる新しい市場に進出していく戦略です。

これまで培ってきた技術や経験を活用できる点がメリットですが、市場ニーズの読み違いにより要求されるレベルが異なり、新規市場の開拓に比べ、想定以上の労力やコストがかかる可能性があります。

例)これまで培ってきた技術を活かして、飲食市場に参入。

小規模事業者に向けた顧客・仕入れなどのデータを可視化。

店長の代理支援に取り組む。

④集成型(コングロマリット型)多角化戦略

集成型(コングロマリット型)多角化戦略とは、既存事業(例えばSES)とまったく異なる、新たな市場に参入する戦略です。

事業の可能性は大きく広がりますが、新規市場への参入には多くのコストとリスクがあります。ハイリスク・ハイリターンといえます。

例)SES事業から飲食業を新規立ち上げ。

 

成功させるポイントとしては、可能な限りこれまでの関連性の高い事業等を組み合わせることです。

仮に、新規事業として飲食店をオープンしたいとなった場合、いきなりはリスクはありますが、少しでも優位性を考慮するとこれまで知見を活かし、例えば、SNSマーケティングが得意で集客力があるといったものを関連付けさせると成功する確率は上がります。

また新規事業を始めて行う方は、リスクの観点からしても、いきなり設備投資するような事業を選ぶのではなく、コストをかけないような事業から始めることを強くお勧めします。

まとめ

考え方を押し付けるつもりはありませんが、フリーランスの将来を考えた時に一人でも長く活動してほしいと思い、将来を常に見据え、リスクを考えると別事業含めて検討すべきと考えています。

僕も実際に同じ思想のもと活動して、リスクを分散させ収入を増やしています。

まとめると、フリーランスは「経営者・事業者」であるということを常に意識し、将来を考え行動していきましょう。

ABOUT ME
くろぶち読書
フリーランスITコンサルタント。ITフリーランスとしての収入が最高240万円/月を達成。ITフリーランス経験は10年以上。IT以外の業種にも個人・法人の独立、創業支援実績あり。