収入を増やしたいという目的で副業を始める方が多いと思います。
実際に、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の記者発表(2023年5月19日)「副業者の就労に関する調査」では、「収入を増やしたいから」が 54.5%、「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が 38.2%だそうです。
しかし、エンジニアといったITフリーランスは、大半の方はSES事業を行なっており、フリーランス全体の中でも収入が比較的高く、安定して収入を得ていると思います。
そのためITフリーランスが副業を始めるなら、個人的に以下のような目的・戦略で始めることをオススメします。
- 収入を増やすことをいちばんの目的にせずスキルアップ・今後の事業拡大を見据えて副業を行う
- 本業に影響が出ないよう、少しずつ稼働を上げる
先ほどもお伝えしましたが、ITフリーランスは本業としての収入が高く安定性もあるので、SESの将来リスクを考えてスキルアップを行い、本業に還元させ単価アップや新規事業を取り組んでいく1つのきっかけすることをオススメします。
ちなみにSESの将来リスクとは何かこちらの記事でご確認いただければと思います。
ITフリーランスでも副業を行なっている人は多く、昨今では専門性の高い案件を取り扱ったサービスが数多く存在します。
僕が独立した十数年前に比べて今は収入もスキルアップもしやすい環境が揃っていますね。
案件の種類も豊富なため、副業を始めるには何から手をつけるべきかポイントを整理しましたのでご紹介します。
副業を始める前に理解しておきたい6つのポイント
ポイント①:副業としての目的を理解する
副業の中で最も重要だと個人的に思うのは、目的をはっきりすることです。
フリーランスとは自由な働き方ができる、収入を増やせると聞こえはいいですが、はっきり言うと目先のことだけです。
個人的な考え方としては、フリーランスは「経営者・事業者」です。
将来リスクとして考えておかなければなりません。問題が発生してから行動しようだと、やり直しが効かない可能性もあります。そのため、常に収入面、安定面等を意識しないといけなくなり、チャンスをものにできるようアンテナを張り巡らせる人も少なくありません。
副業はその一つの手段です。
副業で収入を増やすことでも良いですが、やはり将来リスクを見据えて、スキルアップ・事業拡大に繋げることをオススメします。
具体的にどのような目的とするのか例を挙げてみます。
目的:ヘルスケア業界を経験し、最新技術を活用した新規事業を立ち上げたい
スキルアップ:ヘルスケア業界のプロジェクト経験し、業務知識等を認識する
ポイント②:副業はすぐに案件受注できないと思うこと
これまでSESを経験している人はすぐに案件が決まるケースが多いと思いますが、副業ではその本業と比べ案件数はまだ多くはありません。
また競合も多くいますので、本業と同じ感覚で案件が受注できると思い込んでしまうと、なかなか決まらないことでモチベーションが下がってしまいます。
あくまで副業ですので、仮に案件が受注できない期間があったとしても、フリーランスとしてスキルアップや事業で準備すべきことをコツコツとやっていきましょう。
地道にコツコツやっていくと言う考え方は非常に大事です。
ポイント③:これまでの経験を活かした案件に応募する
ポイント②でもお伝えした通り、副業案件は競合が多いです。
そのため、実績や信頼度を上げていくために、ご自身の一番の武器となるこれまで経験した技術等を活かした案件に応募しましょう。
案件受注する確率が少しでも上がるかと思います。
案件が受注できるようになってから、ポイント①で整理した目的に向かって案件を応募しても良いかと思います。
ポイント④:本業に影響が出ないよう低稼働案件を獲得する
副業を始めて行う人は、本業やプライベートとの稼働時間の調整がわからず、毎日忙しい状況を作ってしまい、メンタル的にも身体的にも辛い思いする人も少なくありません。
まだ、稼働する感覚が掴めていないと思いますので、最初に副業で受注する案件は、できる限り低稼働の案件が望ましいです。
低稼働とは、週1〜2日(週10h前後)ぐらいがオススメです。
副業案件は週4〜5日の案件が多いですが、地道に低稼働案件に応募し、無理をしないように副業を行いましょう。
ポイント⑤:副業としての実績・信頼度を多く獲得する
これまでのポイントを抑え、副業案件が受注できたなら、今度は実績・信頼度を多くしていきましょう。
副業としての実績や信頼度が上がれば、副業サイトでの評価がクライアントに見えて案件受注しやすくなります。
ポイント⑥:今後の事業展開を見据えた案件を獲得する
実績・信頼を獲得できたなら、経験していないスキルや今後の事業展開に向けて実績を積めるように活動してみましょう。
実績や信頼があれば、必ず受注できるというわけではありませんが、可能性は広がります。
特にエンジニアであれば、システム開発のプロジェクト以外にも、他業界で活かせるスキルは豊富にあるはずです。
案件の中で少しでもスキルマッチしていそうな案件を探し、これまでの実績を踏まえふんだんにアピールしていきましょう。
最後に
机上でのスキルアップは限度がありますので、副業に限らず、何らかの方法で経験できると、新たな事業でも成功しやすくなります。
そういう意味では、副業というのはご自身の可能性を広げてくれる手段といえます。
もし、現状維持のままだと不安で、少しでも将来を見据えて行動していきたいと思っている人は、ぜひ副業を一度経験してみてください。