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総合力と専門性、どちらを伸ばすべき?フリーランスのキャリア戦略

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仕事をしていると「幅広く何でもできる総合力を伸ばすべきか」、「特定分野で誰にも負けない専門性を磨くべきか」と迷う場面が多いはずです。

例えばIT業界なら、生成AIなどの特定技術に尖る専門性タイプになるか、フロントエンド、バックエンド、インフラなどフルスタック、もしくは開発もできてプロジェクトマネジメント、コンサルまで幅広い総合力タイプになるか。

どちらも必要ですが、現実的にはリソースに限りがあります。そこで今回は、僕の実体験も交えながら「総合力と専門性のキャリア戦略」についてお話しします。

総合力を高めるメリットとデメリット

総合力の定義と具体例(幅広いスキル、柔軟な対応力)

総合力とは、開発スキルだけでなく、設計や運用、プロジェクト管理まで幅広く対応できる力を指します。

僕の場合、20代前半で独立した時はフロントエンド、バックエンド、上流設計まで経験してからの独立でした。

僕は元々、1つの分野だけを極めていくタイプではなかったので、比較的幅広く経験し、ビジネスサイドまで幅広いスキルを身につけると考えて独立しました。

総合力のメリット

  • 案件の幅が広がり、受注の間口が広い
  • クライアントから「頼れる人」と評価されやすい
  • プロジェクト全体を理解でき、チームの潤滑油になれる

総合力のデメリット

  • 「何でもできるが特に強みがない」と見られやすい
  • 単価が伸びにくい(結局上流ポジションでの参画で単価が上がるだけ)
  • 学習コストが高く、常に幅広い知識をキャッチアップする必要がある

総合力だけでは便利屋として重宝されるものの、長期的に安定した信頼にはつながりにくいという課題がありました。

専門性を磨くメリットとデメリット

専門性の定義と具体例(尖ったスキル、替えの効かない強み)

専門性とは、ある分野に深い知見を持ち、他者に代替できない強みを持つことです。

僕の場合は「会計・金融」を専門性として打ち出しました。

理由は、金融関係の案件が多く業界知識など身についたことと、独立してから副業で資金調達(融資、補助金の申請など)や財務支援、事業計画策定などを行なっていて、会計知識が身についたためです。

専門性のメリット

  • 指名で依頼されやすくなる
  • 同じ作業でも単価を高く設定できる
  • 意思決定層からの信頼が深まる

専門性のデメリット

  • 案件数が限定される
  • 技術や知識が陳腐化するリスクがある
  • 初期段階では実績を作るまで受注しにくい

両立のカギは「T字型スキル」

T字型スキルとは?(総合力+専門性の掛け算)

T字型スキルとは、特定の分野における高度な専門知識(スペシャリスト)を持ちながら、他の分野にも幅広い知識(ゼネラリスト)を備えた人材のことです。Tの縦線を専門性の深さ、横線を知識の幅広さと見立てることからT字型スキルと呼ばれています。

T字型スキルは、スペシャリストとゼネラリストの両方の特性を持っていて、今注目されてる人材です。

T字型スキルの考え方は海外でも紹介されており(外部リンク:Interaction Design Foundation)、グローバルに共通するキャリア戦略といえます。

総合力だけでも専門性だけでも、長期的なフリーランスとしての価値は限定的です。

T字型スキルでは、横軸に総合力、縦軸に専門性を持つことで、案件の幅と単価の両立が可能になります。

また、T字型スキルは自ら行動し高い主体性が欠かせないため、フリーランスのキャリアとしては相性の良いタイプかと思います。

総合力は“入口”、専門性は“決め手”になる

総合力で案件の間口を広げ、専門性で選ばれるフリーランスになる。この考え方が、キャリア戦略の基本です。

実体験:金融知識を専門性にしたことで仕事がどう変わったか

資金繰りや補助金提案から企画・計画策定まで関わった経験

ある中小企業のシステム開発案件では、資金繰りや補助金を提案することでプロジェクト全体のコスト削減を実現しました。

補助金申請書の作成までサポートし、無事採択されました。

ちなみに補助金や中小企業の支援情報は、中小企業庁の公式サイト:J-Net21というサイトでまとめられています。

これから創業する方や個人事業主、中小企業にお得な制度なども紹介されていますので、一度目を通してみることをおすすめします。

経営層とのコネクションを作れたことで案件の質が変わった

この経験を通じて、経営層と直接やり取りする機会が増え、単価やプロジェクトの質が向上しました。

単価は120万円から240万円まで上がり、案件数や稼働日数よりも深く関わる案件に参画するスタイルにシフトしました。

「金融×IT」の掛け算がフリーランスの強みになった

金融知識を専門性として打ち出したことで、他のITフリーランスとの差別化に成功しました。
単なる開発者ではなく、経営の意思決定にも関われるパートナーとして認識されるようになりました。

フリーランスが今から専門性を見つける方法

過去の経験や強みを棚卸しする

過去の案件や副業、趣味も含めて自分の強みを洗い出すことが第一歩です。

他の人が全くやっていない分野を探す必要はないのです。

そんなものはほとんどないので、時間の無駄になります。

まず必要なのは自分自身ことを”知る”ことです。

市場のニーズと照らし合わせて尖らせる

自分の得意分野とクライアントの課題を重ねることで、価値の高い専門性が見えてきます。

漠然とクライアントの課題を考えてもただの空想になってしまうので、例えば、SESならどのような案件が多いのか情報はたくさんありますので、そこからカテゴリ分けたり、分析は容易にできると思います。

少なくとも今現時点での課題やトレンドは見出せます。

将来の市場ニーズについて考えるのは、考えること自体悪いことではないですが、答えが分からず何も行動できなくなります。

ですので、まずは今現時点というところを見ましょう。

発信やポートフォリオで専門性を見せる

ブログやSNSで知識を発信することで、「この分野ならこの人」と認知されやすくなります。

フリーランスなら発信することは必ずやっておくべきだと思います。

今後キャリアを重ねてさらに拡大するなら今のうちから始めておくべきことになります。

掛け算を意識する

IT×金融、IT×教育、IT×デザインなど、既存スキルと組み合わせることで唯一無二の専門性が生まれます。

あなたならどんな掛け算で専門性を打ち出しますか?

まとめ:総合力で広げ専門性で選ばれるフリーランスへ

  • 総合力は案件を広げる“入口”
  • 専門性は選ばれる“決め手”

私の場合「金融知識×IT」を専門性にすることで、案件の質や単価が1.5〜2倍に向上しました。

単価が高くなれば、当然求められるスキルや要求は上がります。

あなたも総合力を土台に、自分だけの専門性を見つけることで、フリーランスとして長期的に安定したキャリアを築けます。

フリーランスほど常にキャリアを考え、戦略的に行動することが大事です。

専門性を育てた後に考えるべき次のステップが法人化です。詳細はこちらで解説しています。

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フリーランスITコンサルタント。ITフリーランスとしての収入が最高240万円/月を達成。ITフリーランス経験は10年以上。IT以外の業種にも個人・法人の独立、創業支援実績あり。