フリーランスが法人化するときに避けられない「融資と保証」の話
フリーランスとして活動していて売上が安定してくると、「そろそろ法人化した方がいいのでは?」と考える方も多いでしょう。
法人化すれば信用力が増し、事業資金の調達もしやすくなります。
しかし、多くの起業家や経営者を悩ませるのが経営者保証。
「法人が借りたお金を返せなければ、経営者個人が返します」という仕組みで、融資時にほぼ必須とされてきました。
この経営者保証があると、もし会社が返済不能になった場合、個人の財産(自宅や預金)まで失うリスクがあります。
個人でも返済不能になれば、自己破産することもあります。
では、法人化を考えるフリーランスはどうすればこのリスクを避けられるのでしょうか?
経営者保証とは?フリーランス・起業家にとってのリスク
- 会社が借りたお金を経営者が「連帯保証」する制度
- 借入が返せなくなった場合、経営者個人の資産で返済義務が発生
- 破産すれば再挑戦が難しくなり、起業家にとって大きな足かせ
法人化を検討するフリーランスにとって、これは「法人化しても個人のリスクが大きく残る」という問題点になります。
だからお金を借りたくない、銀行から融資受けたくないという気持ちになるのだと思います。
経営者保証ガイドラインとは?
この状況を改善するために策定されたのが「経営者保証に関するガイドライン」です。
2014年に金融庁と金融機関の間で導入されたルールで、一定の条件を満たせば経営者保証を外して融資を受けられるようになりました。
つまり、「法人化したからといって必ず経営者が個人保証をしなければならない」という常識は、すでに変わりつつあるのです。
法人化したフリーランスが「経営者保証なし」で融資を受ける条件
経営者保証を外すためには、以下のような条件を整えることが求められます。
法人と個人のお金を明確に分ける
- 法人口座を用意し、個人と事業の資金を混ぜない
- 経理を法人として適切に管理する
財務の透明性を確保する
- 正しい帳簿付けを行い、決算書を適切に作成
- 税務申告を毎年きちんと行う
健全な経営を続ける
- 無理な借入を避け、返済計画を明確にする
- 継続的に利益を出せる事業計画を提示する
これらを実践すれば、金融機関に「経営者保証なしの融資」を前向きに検討してもらえる可能性が高まります。
不健全な経営を行なっていなければ、条件を満たすことは全く難しくはないはずです。
法人化と資金調達で得られるメリット
法人化をして経営者保証ガイドラインを活用することで、以下のメリットが期待できます。
- 個人資産を守りながら融資を受けられる
- 法人としての信用力が高まり、事業拡大のチャンスが広がる
- 融資の選択肢が増え、より有利な条件で資金調達できる
- 万が一失敗しても再挑戦しやすい環境になる
むしろ法人化よりフリーランスで活動する方がリスクがあるという考え方もあります。
SESや一人で活動しているフリーランスだと、融資やコストかける部分は少なく、支払いが滞るリスクはほとんどありませんので、その場合は個人でリスクはあまりないです。
法人化して今の事業を拡大していきたい、人を雇いたい、資金調達して自社アプリ開発を大きくしていきたい等ある場合は、経営者保証ガイドラインは理解しておくべき情報の1つです。
精神的に負担はだいぶ減ります。
経営者保証を外すためにやるべき準備
「経営者保証を外す方法」として、法人化を考えるフリーランスが今からできる準備は次の通りです。
- 法人口座と個人口座を完全に分ける
- クラウド会計や税理士を活用して正確な帳簿を作る
- 融資相談時に『経営者保証ガイドラインを踏まえて融資を検討したい』と伝える
まとめ:法人化+経営者保証ガイドラインでリスクを抑えて資金調達
フリーランスが法人化する際に気をつけたいのが「融資と個人保証」。
経営者保証ガイドラインを理解して準備を進めれば、個人のリスクを抑えながら法人として資金調達を行えます。
これから法人化を検討している方は、ぜひ経営者保証ガイドラインを意識して準備を進めてみてください。
法人化や融資で不安な方へ
「法人化したいけど、資金調達や保証のことが不安…」
そんな方は、一人で悩む前にまずは税理士に相談してみましょう。
税理士の探し方についてはこちらの記事を参考にして探してみてください。
